チャイピーの最期

2月の寒い朝、餌やりに鶏小屋に入った。小屋と前庭を隔てる仕切り板を上げると、鶏たちは元気よく前庭に出て行った。けれど一羽だけ、チャイピーがうずくまっていた。チャイピーは一週間ほど前から元気がなくなり、三日前からは夜に止まり木に上がる事もできなくなっていた。

「チャイピー、大丈夫?」と抱き上げて頬ずりすると、うっすらと目を開けてかすかにのどを鳴らしたけれど、脚を動かす力もない。私は悟ったので、「今までありがとう。」と地面に下ろした。ほどなくして、チャイピーは少し鳴き声をたて羽ばたきをして、事切れた。享年9歳8ヶ月。大往生だった。

チャイピーは今まで飼ってきた鶏の中で一番の優良鶏だった。なんといっても2回も卵を孵してひよこを育てたのだ。我が家で卵を抱いて孵した鶏は2羽だけ。なかでも2回孵したのはチャイピーだけだった。

それにお尻が大きくて、抱っこすると一番重かった。さながら絵本に出てくる”めんどりおばさん”といった貫禄のあるたたずまい。私になつくことは少なかったものの、他の鶏たちを従えるような風格のある鶏だった。

茶色だからチャイピー。命名しない鶏もいる中で存在感があり、一番の優良鶏として一目おいていた。そんなチャイピーが一番長生きするだろうと思っていたけれど、そうはいかなかった。それでも弱ってから虐められることもなく、最期は私に挨拶をするように逝ってくれたので、さすがはチャイピーと思った。

お墓を掘って埋め、花がないので金柑の実を供えて線香を焚き、短いお経で弔った。

チャイピーと同期で残っているのは、ピー太とマダラーの二羽だけとなった。二羽とも弱ってきているので、4月に10才を迎えられるかどうかわからない・・・。特にピー太は、うつらうつらと眠ることが多くなったので心配している。

      ↑ひよこを育てていた頃の若いチャイピーです。

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