残んの蜜柑は黄金色

畑仕事のストレスを減らしながら好みの果物の自家栽培を図らうと云ふ文殊の知恵で、わが庵はいま菜園のゾーニングをしてゐる。苗木を求めて植ゑたのが、梅、紅玉、甘夏、温州蜜柑それに愚妻好みの渋柿。おずおずと剪定をしながら今年で三年目、どれもまだ実を結ぶまではいかぬ筈が、何と、甘夏だけがどんな案配か十数個の実をつけたのだ。

三年目で十個越えとは末恐ろしい甘夏の若木、これはいい苗木に恵まれたと、このひと月ほど何日かおきに甘夏が夕食後のデザートになっていたが、ご覧の黄金色が最後、残んの蜜柑が今晩の食膳に載った。甘ったるくなく、快い酸味がいかにも露地育ちの絶品だ。最後と思へば気が残り、ワンショットを御覧に入れた次第。

ほかにも庭の健太(十七年一緒に生きてくれたわが愛犬)のお墓近くに伸びてゐる菓子クルミも、さまざまな料理に味を添へてゐる。願はくば、まだ花も見せてくれない紅玉が俄に奮い立って実を結び、紅玉好きの私を悦ばせてほしい。

こうして、わが菜園は年々様変わりする。芝生を広げて所々に花壇を設えて、隅にハーブ園などもよかろう。そうなれば健太の後釜も考へてもいいかも知れない。

武漢肺炎でうっかり外へも行かれないが、小春日和が予報される明日辺り、山羊とカピバラたちに会ひに東松山でも行こうか。

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