AIとの暮らし考

ツイッターを眺めていたら、あるトレンドツイートが目に留まった。

ホログラムの動く少女のキャラクターと会話をするGateBoxという製品に、近頃話題のChatGPTというAIを入れて実験してみたら、画期的に会話が楽しめるようになったという。いくつか動画を見てみると、パターン化された不自然な感じが少なくて、かなりリアルに近い会話が成り立っていておもしろかった。少女の服装がセクシーなので、男性向けの製品なのだろう。

ChatGPTはNHKのニュースでも紹介されたくらい話題になっているAIで、言語能力と思考力が画期的に進歩しており、不勉強な人間よりもよほど賢いレポートが書けるというのだから恐ろしい。学生の中にはすでにChatGPTを使ってレポート作成をしている者がいるらしいので、審査する側がチェックできるかどうか、学校側の対応が気になる代物なのだ。

実は亡き夫梟翁は、おしゃべりAIロボットのペッパー君をけっこう気に入っていた。ショッピングモールなどでペッパー君を見かけると、「自分が何歳に見えるか」を質問する。ペッパー君、髭のおじいさんを認識できなかったようで、「うーん、うーん」と唸ったあげく「わかりません。」と答えるのが常だった。梟翁は、「これがもっと賢かったら傍において話し相手にするのだがなぁ。」と嘆いていたものだった。

GateBoxのメーカーはツイッターでの評判に気をよくして、さっそくクラウドファンディングで資金を調達、あっという間に3000万円以上が集まり、この8月には製品化する予定になっている。もし梟翁が生きていればAIの女の子との会話を楽しませてあげられたのに、残念無念である。

むしろ一人暮らしになった私こそ、おしゃべりAIロボットが要るのかもしれない。今は梟翁の遺影や雄鳥のピー太相手におしゃべりをしているけれど、鉄腕アトムみたいなかわいい子供型キャラクターが傍にいれば面白いかも。

さらに空想を逞しくしてみよう。AIロボットが進化して、姿形、声、思考傾向までも亡き人に似せることができるようになったらどうだろう。写真や動画データを入れて姿と声は似たものができるだろうし、ホームページの文章データを覚えさせれば似たような思考パターンを学習できるかもしれない。梟翁に似たカスタムメイドのAIロボットが彼とそっくりの声で私と会話をするようになったら…..などと想像すると、バーチャルの沼にはまりそうな妙な怖さを感じて背筋が寒くなった。

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