販売業者への道

来年の春、私の住む市に「道の駅」ができる。10年以上前から進んできた市の事業だ。高速インターの近くに設置され、ETC2.0を使えばいったん高速を降りて道の駅に寄っても2時間以内に高速に戻れば追加料金が割り引きされるため、サービスエリアのように高速の客を呼び込めるのだ。

卵の販売は止めたけれど、自家製ハーブティーや家庭菜園の収穫物を販売している私も「地元の生産者」にならんと準備を進めている。

市が委託している民間業者とのやりとりは、半年前の説明会から始まって→個人面談→確認会と進んだ。確認会では、「ハーブティーは農産品ではなくて加工品だから保健所で手続きしください。」と言われて挫折しそうになった。シフォンケーキを作って販売している方が保健所の許可を得るために300万円かかったというブログを読んだことがあり、とても無理だと思ったのだ。

翌日電話で、「保健所の手続きは難しいと思いますので、加工品のハーブティーはやめて農産品だけにしたいです。」と申し入れた。すると、「大丈夫だと思いますので、とりあえず保健所で相談してください。」と言われたので半信半疑で保健所に行ってみた。

保健所の窓口で丁寧に教えていただいたことには、ハーブティーの製造販売は許可申請ではなく届出でよいとのこと。そして食品衛生責任者の資格をとる必要があることがわかった。生ものを扱わないので届出でよく、定期的なチェックもないという。目の前がひらけた。食品衛生責任者の資格は一万円払って講習を1日受ければいただけるというので、その日のうちに往復はがきで食品衛生責任者講習の申し込みをした。

講習会場はなんとホテルの宴会場、鳳凰の間だった。若い人が多く、私が一番年寄りだったかもしれない。宴会場のシャンデリアの下、10時から4時までみっちりと講習を受けた。主な内容は、食中毒の危険性とそれを防ぐための方法だった。疲れたけれど、晴れて資格をゲットできた。

あとは営業の届出だ。来年娘たちが引っ越してくるので、作業部屋にしている部屋を明け渡さないといけない。届出は部屋を決めてからが良いのかどうか迷っていた。そこで、加工業者の打ち合わせの折りに質問をしてみたら「届出は簡単にできますよ。」と言われたので、おそるおそる保健所に行ってみた。すると、作業部屋の位置を記載する必要もなく、本当にあっけないほど簡単に届出ができた。これで目出たく加工品販売業者としての手続きが正式に進められることとなった。保健所からの帰り道、お祝い気分で食べたケーキが美味しかった。

道の駅では「地元の生産者」の写真を飾りますとのことで、ピー太と一緒の写真を撮って提出してある。猫の額のような家庭菜園で作るのだから、収入はたかが知れている。とはいっても、どのくらいの増収になるかなぁと、期待に胸を膨らませている。

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