スラングは悩ましい

英語講釈、と言葉はレトロだが、私は堅苦しい、重箱の端をつゝくような英語話しをするつもりはさらさらない。言葉は理屈じゃない、感覚の世界だから。五感のなかでも聴覚を目一杯働かせる質のものだから、まず理屈ありきでは身につかぬものだ。

知恵袋には、理屈責めにあって傷めつけられた「患者」たちが群れている。ちょっとのことでグラっと自信が揺らぐ。今日の話は、多分妙齢の乙女だと思われる人の、なんとも無邪気な、それでいて危なっかしいエピソード。とくとご味読あれ。

Q   I can’t help get horny over you はどう言う意味ですか?
horny と言う単語はわかりますが、 get… over you がつくと意味がイマイチわかりません。回答よろしくお願いします。

horny という言葉が分かる、というところがなんとも危うい。楽器のホルンと思ってか、それとも「角(つの)」程度は辞書で確かめたのか、「分かる」とはいえ、おそらくその程度で知恵袋に頼ってきたのじゃろう。

A     このひとはアメリカ男性で、言いにくいがさして学のないひとだと思う。horn は角のこと、 horny とは【角のようになる】という意味なんだが、転化して【硬くなる】という卑猥語になっている。知恵袋だからそれ以上過剩説明は避けますので、想像してください。
☆ I can’t help get horny over you. 文法的には get → getting が正しく、学のなさを示しています。【あなたのことを考えると horny になるんだ】
ご參考まで。

如何?この妙齢の乙女は私があえて説明を避けた部分を汲み取ってくれたかどうか。くれたとして、その後この無学のアメリカ人をどう扱ったのか、などなど、私は「想像の翼を広げて」思いめぐらしたことだ。

ここのテーマはスラング。スラングは悩ましい。難しいとか厄介とかではなく、スラングは時間を追つて変化、というか新陳代謝して行くからだ。傑作は生きながらえ、愚作はいつか霧消する。流行りすたりがある。文学作品の科白回しにその消長が見える。それが面白くもあり、ストレスでもある。所詮、英語の文化じゃから、慣れるしかない。どれほど暑くとも、女性たるもの「hot」は禁句ですぞ、「awfully warm」と言いなされよ。

ご機嫌よう。

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